2025年のモバイル通信は、各社新たな一歩を踏み出したように思いました。
私が住む宮城で、1年間で見つけたものを時系列で挙げていきます。
1月
Radio 2271が出現
Ericssonの新型無線機となるRadio 2271が、ソフトバンクの無線機として仙台駅西口の5G JAPAN局に設置されているのを目撃しました。(写真赤枠)
5G NRに対応し、現時点で出ている技適だとn1をサービスできることになっています。
2月
仙台駅西口にドコモが基地局新設
S-PAL屋上にドコモが基地局を新設。指向性強めの3セクターでペデストリアンデッキをカバーします。
3月完成、4月以降開局。
3月
ソフトバンクがAXGPにEricsson製無線機を使用開始
宮城県内でAXGP基地局にRadio 4422 B41Hを使い始めたことが確認されました。
Radio 4422 B41HはUQ WiMAXの5G NR化でも使用されていることが確認されていて
ソフトバンクも5G NR化するのは時間の問題と言えそうです。
ドコモがEricsson製MMUを宮城で使用開始
東京や大阪で目撃されていたEricssonのMassive MIMO無線機 Air 3268が、ついに宮城にも上陸しました。
3.6GHz帯(n78)で運用していました。
4月
KDDIがStarlink基地局を設置
KDDIのStarlinkをバックホールに使用した基地局が見つかりました。
楽天モバイルのプラチナバンド基地局を発見
宮城県初となる楽天モバイルのプラチナバンド基地局が仙台市泉区で見つかりました。
周囲をぐるっと回って電波の飛びを調べてみましたが、700MHzというわりに指向性が高く、本当にプラチナの役割果たしてるのかなぁって感じでした。
7月
ドコモが仙台駅周辺に基地局を追加
イオン仙台店が入っていた読売仙台ビルが解体されるにともない、屋上に載っていたドコモ基地局も撤退せざるを得なくなったようです。
どうするのかなと思っていたら、周辺のあちこちのビルに基地局を置き始めるという小セル化を進めるような動きがありました。
設備を覗いてみたところ5Gもつけているようで、主にSamsungの37L4CRRUと45L4CRRUらしきものを採用しているようです。
“繋がらない”を解消するには海外ベンダーを頼りにするしかないという、方針転換が強く見えました。
8月
ドコモのEriccson製MMUが泉中央駅前に出現
泉中央駅前にあるビルにドコモのMMUが出現しました。
松島航空基地祭で3社が集結
去年の松島航空基地祭はKDDIしかいなかったそうで、今年はドコモのイベント対策に載っていたので見に行ってみました。
そしたらソフトバンクもいました。
海岸に近いということもあり、セルエッジに近いということもあり、やはり人が集まると詰まってしまって苦情が殺到したんでしょうか。
KDDIはStarlinkを活用したフリーWi-Fiを提供していました。
9月
KDDIがn3, n28で5G SAを提供開始
KDDIが宮城でn3 (1.7GHz), n28 (700MHz)において5Gのスタンドアローン方式を提供開始したことが確認されました。
結構広範囲で掴めました。一斉に展開したのかなって感じでした。
11月
ソフトバンクがイベント対策でトライバンドMMUを商用展開
11月に仙台で開催された「ドラクエウォーク」のメイン会場、泉区の七北田公園にて
EricssonのトライバンドMassive MIMO無線機であるAir 6476が確認されました。
ソフトバンクが使用しており、3.4GHz (40MHz幅)、3.5GHz (40MHz幅)、3.9GHz (100MHz幅)を同時にサービスできる高性能タイプで
このMMUから出す3波でCAすることにも対応しているようです。
Sony Xperia 1 VIIにて実際に3波CAしていることを確認できました。
ソフトバンクがStarlinkでWi-Fiスポットを提供
同じくドラクエウォークの会場で、ソフトバンクがStarlinkを使ってWi-Fiスポットを提供していることが確認されました。
東北では初の事例と見られます。
楽天モバイルが宮城で移動基地局を久しぶりに運用
めったにイベント対策しない楽天モバイルが、ドラクエウォークで移動基地局車を出して対応していました。
これは進歩です。でも来たのは宮城に配備されてる移動基地局車じゃなかったです。なぜ。
ドコモのEricsson製MMUが仙台駅西口に出現
ドコモのAir 3268が仙台駅西口のロフト屋上にいました。
やっと本命の場所に来たかという感じです。かなり快適になっていると感じました。
12月
自動運転バス用のローカル5G基地局
仙台市にて行われるモバイル通信網を活用した自動運転バスの実証実験 (プレスリリース
)において、ローカル5Gを使用した実験も行うと記載されていました。
主な場所の1つとして秋保大滝付近が示されていたので見に行ってみました。
秋保大滝の駐車場に基地局がありました。
無線機はAskey Computer製で、NR xCell 60156CWというモデルでした。
PLMNは999-002、周波数は4849.98MHzで運用していました。
バックホールにStarlinkを使用していました。(そういう実験だったようです)
まとめ
ドコモ
EricssonやSamsungといった海外ベンダーの使用率を増やしたり、小セル化を行って改善に着実に取り組んでいる印象でした。
混雑するエリアにMassive MIMO無線機をもっと置いてほしいなと思います。
KDDI(au)
3G設備の撤去がとにかく進んでいない。
CDMA 1Xサービス終了から3年経った今、あちこち基地局を回ってみても3G設備が残っているところが大半でした。
3G設備が撤去できないと、Band 18 (800MHz)で3Gが使っていた5MHz幅がいつまでも4Gに活用されないというもったいない状況が続きます。
人力での撤去作業が必要になるため時間がかかるのは致し方ないとしても、もう少し頑張ってほしいです。
あと地方での5G整備も頑張ってほしいです。
ソフトバンク
ソフトバンクもドコモ同様に5GにおいてMassive MIMOの導入を強化するなど、一段と品質が上がっています。
3G時代から使用してきたNokiaのFlexiシリーズやHuaweiのMicro BTSを撤去してEricsson製無線機に置き換えるなど設備更新に積極的なイメージがありました。
今後も期待です。
楽天モバイル
1年間で変わった事というと、プラチナバンドが始まったとか基地局が増えたとか、そのぐらいですかね…
4Gじゃ絶対足りてないよねという場所も増えてきたので、ぜひ5Gを整備してほしいところです。今のところ個人的な整備率ワースト1位です。
プラチナバンドは、アンテナの特性もあってかなり鋭く飛んでいるように見受けられました。
1.7GHzと一体化するよりも、オムニアンテナ等でビーム幅を確保する必要があるように思います。
これから先望むこと
ドコモ
- 3G終了後のBand 19(800MHz)の空き帯域のすみやかな4G転用
- Massive MIMO
- n28のエリアを増やす、4G B28との干渉を減らす
- 4GでBand 42として使用している3.4GHz、3.5GHzの5G転用
- 加えて その周波数帯での 5G SA
- ストリートセルの5G転用
- n79 (4.5GHz)のMMU
- Starlink Direct To Cell
KDDI(au)
- Band 18 (800MHz)の3G空き帯域の4G転用
- 地方での5G整備
ソフトバンク
- Starlink Direct To Cell
楽天モバイル
- プラチナバンドの活用
- 3A_28A ができるようになれば多少足しになるかも
- 5Gの整備
- 5GのENDCの組み合わせの強化
- 3_n77_n257 ができるようになってほしい
- 5G SA
- n3-n77, n77-n257 ができるようになってほしい
- 1.7GHzの転用5G
- プラチナバンドの電波発射方法の改善
- AST SpaceMobileの衛星通信サービス
来年も面白い1年になりそうです。それでは。








